雄松館

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比良八講

山と湖をつなぐ 水への祈り

故国に春の訪れを告げる比良の例祭

その昔、霊峰と崇められた比良山。
春先となればこの高い山々と琵琶湖の気温差から、 山麓一帯に強い北西の季節風が吹き、 琵琶湖は大時化(しけ)となる。この自然現象を いつしか「比良の八荒、荒れ仕舞い」と呼び、 人々は長い冬の終わりと、待ちわびた春の訪れを 感受してきたという。近江の伝説『比良八荒』も また、この気象を背景に作られ語り継がれている。 地の民、水の民が自然への畏敬の念を新たにする 春の風物詩。
昭和三十年、比良八講が比叡山千日回峰行者である故箱崎文応大阿闍梨により再興され、 半世紀余りの年月が流れました。その間、主催会場は大津市八屋戸から浜大津、雄琴、唐崎、 堅田へと遷され、現在の近江舞子に落ち着きました。 時空を超えて受け継がれる水への祈り。滋賀・京阪神地域の水瓶を司る琵琶湖への報恩と、 その水源である比良山系の保全、水難者回向と湖上安全祈願を捧げる法要。 地元の方はもとより、近畿一帯の皆様に広くこの行事を知っていただき、ご参集いただければ幸です。

開催日時

毎年3月26日 10時~12時40分頃
近江舞子湖畔にて開催(※雨天決行)
電車:JR近江舞子駅から徒歩5分
車:国道161号湖西道路近江舞子ランプから5分
(※白いノボリを目印にお越しください)

お問合せ

比良八講事務局
大津市北比良982-42
TEL:090-4037-4944(東岸)
ホームページ

悲恋の伝説「比良八荒」

昔、一人の若い修行僧が東江州へ托鉢(たくはつ)に出かけた際、 東江州のある旅籠(はたご)に滞在しました。 そこには見目麗しい娘がおり、 僧を一目見て好きになりました。 娘は意を決して、自らの想いを僧に告げましたが 僧は修行の身ゆえ帰らねばなりません。 娘の気持ちに応える訳にもいかず、 「私は湖水の彼方、比良の麓で修行をしています。 私が恋しいとお思いなら、百夜通って来て下さい。 そうすれば、貴女の願いが叶うでしょう。」 このように言い残して去って行きました。 喜んだ娘はその日から九十九夜、 たらい舟に乗り、灯りを頼りに対岸を目指して通いました。 いよいよ満願の百日目の夜。 いつものように沖に出たものの灯火はなく、 娘は目印を失い悲しみに暮れました。 折しも比良颪(おろし)が湖上を吹き荒れ、 たらい舟はは哀れ湖に沈んでしまったということです。 この時季に比良山から吹きおろす強風は、 無念によるものとも言われます。

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